kiss me Again
人のぬくもりは
まるで子守歌のように人を癒す力がある。
それが例え
求めたぬくもりじゃなくても。
「あたし、帰るね。」
「泊まればいいじゃん。」
「そうゆう訳には行かないよ。明日も学校だし。」
ゆっくりとベッドから起き上がるあたしを
大輔が引き止める。
いつもの事。
なのに
この虚無感はどこから来るのだろう。
「また、電話するね。」
「そう言って掛けて来ねぇくせに。」
くしゃっと髪の毛を撫でる大輔に
あたしは作り笑いを返す。
駅まで送ると言う大輔に
あたしは逃げるように玄関を出た。
振り返らずに
ただ、逃げるように。