kiss me Again
しばらく走ったあたしは
薄暗い街灯の下で足を止めた。
「何……泣いてんだ、あたし。」
揺れる視界が
心を濁らせてあたしはその場にしゃがみ込んだ。
あたしに
涙を流す権利なんてない。
だけど
涙は止まらなかった。
泣かないように
ずっと張り詰めてた糸は
プツンといとも簡単に切れて
あたしの涙腺を壊してくれた。
大輔が悪いんじゃない。
悪いのは明らかにあたしなんだ。
大輔の優しさに甘えて
手放す事すら出来なくて
結局あたしは何がしたいんだろう。
あんなにも愛してくれる恋人がいて
分かり合える親友もいる。
なのにあたしの恋は
その二人を裏切ってる。
そんなのが
恋だなんて言えるの?