kiss me Again
あたしは
昔からマフラーが嫌いだった。
締め付けられる感じがどうも苦手で。
きっと
あたしの先祖は
首を絞められて殺されたんだと思う。
なんて。
あたしの憶測だけど。
じゃあ
こんなに心が歪んだのは
誰のせい?
「何話してたのっ?」
そうくんに寄り掛かるように
香苗がベッタリと絡みつく。
「別に、何も話してないよ。人、多いねって言ってたの。」
出来るだけ自然に。
作り笑いは
あたしの得意技じゃないか。
なのに――…
今日はうまく
笑えそうにない。
「そっか!本当人多いよねぇ。やんなるよ。ね、そうちゃん。」
「ん……。」
久し振りに
心臓が痛くなった。
あたしはここで
何をしているんだろう。