kiss me Again

強く

強く抱き締めて欲しかった。




あのまま

あたしをさらってくれればよかったのに。




あの日
あなたと飲んだ
紅茶の味が恋しい。



だけどそれ以上に




あなたが恋しいのは何故なのかな。






「お前、高校卒業したらどうすんの?」

「何、急に。」



毛布にくるまりながら
後ろから抱き締める大輔はあたしの髪の毛で遊んでる。


窓の外は
いつの間にか暗闇が広がっていた。




「そろそろ考えなきゃだろ。進路。」

「……そっか。」



進路―――…
そう言えばもうすぐあたし達は
高校三年生になるんだ。



「もしかしてお前何も考えてねぇの?」

「……うん。」

「しっかりしろよなぁ。」


< 79 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop