kiss me Again
こうやって
大した事ない日常を送っていても
あたし達は少しずつ
大人へと近付いている。
変なの。
あたしは何も変わってないのに
世間はあたし達を大人にしようとするんだ。
別にそんな事望んでないのに。
「俺さ、設計士の資格取ろうと思って。」
「設計士?」
「あぁ。俺、そうゆうの好きだし。
自分の家、自分で建ててぇんだ。」
驚いた。
確かに大輔は
そうゆう細かい作業とか好きで
手先は器用だった。
だけどそんなふうに
将来を見据えてるなんて思いもしなくて。
「お前は?何かやりたい事ないの?」
「やりたい事…。」
二の句が出ない。
あたし、将来何がしたいんだろう。