kiss me Again
小さい頃から
そうだった。
特に趣味と言えるような趣味もなくて。
悪く言えば
何に対しても興味が涌かない子供だった。
それは17になった今でも同じで。
第一、今も見えていないのに
あたしに将来が見える訳ない。
「じゃあさ。」
考え込むあたしを見て大輔が口を開いた。
「高校卒業したら、一緒に住まない?」
「…え…?」
一緒に?
大輔と……
あたしが?
「焦る必要ない。海音がやりたい事、ゆっくり考えればいい。」
長く伸びたあたしの髪の毛を
大輔が慈しむように手に取った。
「俺はただ、お前が隣に居ればいいから。」
目が、回る。
「一緒に居られる未来を二人で考えよう。な?」
未来が見えない。