kiss me Again
ベッドに倒れた拍子に
カバンからはみ出た携帯電話が視界に映る。
あれから
初詣で偶然出会ったあの日以来
そうくんから連絡は来なくなった。
当たり前だ。
あたしは答えてあげられなかった。
逃げるように大輔の手を取って
最後まで目を合わせなかったんだ。
そうくんからしたら
あたしが迷惑がってるようにしか見えない。
これでいい。
これはあたしが望んだ事で
こうなる事もわかってたはずじゃないか。
お互い、大切にするべき人が居る。
なのにー―…
どうしてこんなにも悲しくなるんだろう。
どうして
こんなにも心が揺れるんだろう。
決めたじゃないか。
もう、やめるって。
大輔だけを見ていこうって。
そう決めたのに
何故、送られて来るはずもないメールを
あたしは凝りもせず
待ってるんだろう。