kiss me Again
彼女の存在
真っ白に彩られた坂道をあたしはゆっくりと歩いていた。
やっぱりスカートは寒いな……。
短いスカートから出る太ももは
冷たい空気にさらされて少しだけ赤くなっている。
出来る限り風に当たらないように
マフラーを口元まで上げた。
「おーい、沖村急げ!遅刻だぞ!」
坂の上に見える校門に
担任の先生が待ち伏せていた。
おそらく、休みの間
髪の毛を染める生徒が多いから
こうやって校門の前でチェックをしてるのだろう。
ご苦労な仕事だ。
「先生、トナカイみたいだよ。」
この寒さの中
上着も羽織らずジャージ姿の先生は鼻を真っ赤にしてる。
そのまま通り過ぎようとしたら
「お前はスカートが短かすぎ!」
と軽く頭を小突かれた。
今日からまた、学校が始まる。