kiss me Again
―――桜の花びらが宙を舞う。
開け放っていた窓からあたしの机にはらりと落ちた。
まだ着慣れない制服にあたしは溜め息をはいた。
「沖村さん。」
呼ばれて振り返った先に見知らぬ女の子が立っていた。
誰だっけ?
まだ顔と名前が一致しないあたしは
頭をフル回転させて考える。
「あたし田村香苗。図書委員だよね?あたしもなの。」
思い出す前に名乗ってくれたその子は
まだあどけなさが残る笑顔で
素直に
可愛いな。と思った。
これが香苗との出会い。
委員会が同じで
席替えで偶然に前後になったあたし達は
仲良くなるまでにそう時間はかからなかった。
少女のように可愛い香苗と
よく大人びてると言われる事が多いあたしは
周りから見ても
全く真逆のタイプだったと思う。