kiss me Again


その一週間後。
険しい顔であたしに向かってきた香苗。



「海音!」

「…どうしたの?そんな怒って…。」


毎日ニコニコしてる香苗のイメージに
似つかわしくない怒りのこもった表情にあたしは驚いた。






「どうして教えてくれなかったの!?彼氏出来たんでしょ!?」

「…何で……。」


知ってるの?
という言葉を遮るように香苗が興奮した様子で話す。



「雅美が言ってた。昨日、駅で海音と彼氏が手繋いでるの見たって。」


あぁ……、そうか。



あたしは何も言わず頭を掻いた。

そんなに怒る香苗の気持ちがわからなかったから。





「あたし……ショックだよ…。海音、何も言ってくれないから…。」


さっきまで怒ってた表情が一変して泣き顔に変わる。




< 91 / 348 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop