ラベンダー畑に想いを寄せて
手術という言葉を聞くと、和也は口をつぐんだ。
顔は見えないけれど、きっと険しい表情で携帯を耳に固まっているんだとわかる。
「手術は5日後の月曜日だから。一応、伝えておくね。じゃあ……仕事中にごめんね」
和也の返事を聞かないうちに私は切った。
今……「大丈夫」とか「頑張れ」って言葉を聞きたくなかった。
励まされるのは嫌。
何が大丈夫なの?って怒鳴ってしまいそう。
応援されるのも……嫌。
頑張るのは先生。
だって、私は麻酔をかけられて寝てるだけなんだから。
私に何を頑張れっていうの?
頑張れば癌が消えるなら、いくらでも頑張るよ。