ラヴレス









「ちいねぇちゃん!靴下がないよー!」
「私のプリキュアはー!?」


朝食を終え、ぎゃあぎゃあと騒ぎ立てる子供らの声を遠くに聞きながら、じわり、穏やかな気分に浸った。

私のこの大好きな場所は「愛」で満ち溢れている。

だからこそ、この「愛」を守るには「金」が必要なのだ。

顔も知らない金持ちに頼るほど、私は乙女ではない。





『―――尚、今回は国政の対策から省かれている個人経営の孤児院を重点的に回るとの発表がなされており、それを受けて―――』



ニュースでは未だに「スナウザー氏」を持ち上げている。




「お、こりゃもしかしたらウチにも来るかもしれんなぁ」
「くるわきゃないよ、じーさん」



夢を見るより貯金しろ。

私は母の教えを忠実に守っていた。










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