ラヴレス
ソフィアはゆったりと、たまに解らない日本語を智純に尋ねたりしながら、自分や、キアランの話を始めた。
智純になにか尋ねて、詮索されていると思われるのが嫌だったのだろうか。
「私、昔から病弱で、学校に行ってもすぐ熱を出したりして、頑張って行っても、いつも昼には帰るはめになってたの」
病弱で薄幸な美少女。
設定的には少し古いが、ソフィアの華奢過ぎる身体を見れば納得してしまう。
「そんな時はいつも、キアランが私の家に遊びにきてくれて、勉強を教えてくれたり、学校で流行ってる遊びを教えてくれたりしたわ」
ほんわかと笑うソフィアは、当時を思い出したかのように夢見がちに指を組んだ。
そんな仕種さえ絵になるのだから、キアランと並べばさぞ注目を浴びることだろう。
「キアランはいつだって優しくて、私の自慢のイトコよ」
ソフィアがこれでもかと愛らしく笑う。
だからと言って、今の智純にはキアランの話題など火に油を注すようなもの。
辟易としだした智純に気付かず、ソフィアはどこか必死になって智純を見た。