ラヴレス
「…君には用はない。私が「人間的」に話をしたいのは、こちらの主人だ」
冷ややかな蒼眼が、殊更冷ややかさの光を帯びて「チィネエ」を見下す。
「ハ、なにが人間的?じゃあ私はなんだって言うの?」
「チィネエ」も怯まず、斜め下からキアランを小馬鹿にするように見上げている。
右側から注ぐ母屋の光を受けて、ふたりの目はギラギラと滴っていた。
「恥じらいのない半裸の野生児」
悪びれもせず、そんな言葉を吐いたキアランに、「チィネエ」は苛立ちを抑えるように拳を握った。
ぎり、と彼女の目元はひきつっている。
それを見たキアランが優越感に浸り、勝ち誇った嘲笑を浮かべた。
「―――カンタ!」
「チィネエ」はキアランの相手を止め、矛先を変えたのか、未だ彼の脚にしがみついているカンタを呼んだ。
カンタはびくっと肩を聳やかせながらも、素直に「チィネエ」を見上げる。