卒業写真-あたしの先生-



『あ、』

嘘っ。



「あー!もしかして…友喜のねぇちゃんだよね!?斉藤美香ちゃん?」



え、知ってんの?




『はい、知ってるんですか?』



「知ってる、知ってる!友喜から話聞いてるよ。」



『あ、そーなんですか…』



何、話したんだ?

友喜のやつー…!!!



てか、この空間はずい、無理。



『何やってたの?帰らないと。』



『補習あって…;今から帰ります。すいません。』



「そっか、そっか。気をつけて帰りなさい。」



『はい。さよーなら!!』



鞄を持ってドアに向かった。




「ばいばい、美香ねぇ(笑)」



先生の前を通りすぎる時、バソッと呟かれた。



えっ?


きっとこのこの時のあたしはかなりのあほ面をしていたと思う。




先生は、ふっと笑って教室を出て行った。




あたしはただただ、先生の背中を見つめるだけだった。




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