卒業写真-あたしの先生-
ドキ…ドキ……
………ドキ…ドキ…
『は、はい!!』
俯いたあたし。
上からは先生の視線が痛いほど伝わってくる。
「……ありがとな。」
え、
思わず顔を上げてしまった。
無表情な先生の顔からは何も読み取れない。
「俺も好きだよ。…生徒として。」
…………
「美香ねぇは俺にとって大切な生徒なんだ…」
『……そーだよね。ほら、過去形だからさ。先生と生徒って時点でないって思ってたから。』
わかってた。
こうなるのは。
だけど……
涙が止まらない。
『あたし帰ろ〜と。じゃね、先生。』
涙を拭わず、逃げるように帰った。
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