忘れはしない
夢跡
夢を見た。

3年前、あいつと付き合うきっかけになった、あの日の出来事の…。



その日、学校の空気はいつもと違っていた。

どこか哀愁を漂わせながら、何かを待つように佇んでいる。

って、センチすぎるだろう、俺。

はぁ、と短いため息を吐いて校門をくぐる。

今日は、俺たちの卒業式だ。

長いようで短い高校生活だった。

あいつと、いろんな馬鹿をやって過ごした。いろんなことを語り合った。

でも、未だ何の進展も見せずに、今日という日を向かえてしまった。



何やってんだ、俺…。
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