忘れはしない
「ねぇ、大丈夫? なんか顔色悪いわよ…」

心配そうに、顔を覗きこんでくる。

その距離、わずか数センチ。

ちょっと顔を近付けるだけで、キスができそうだ。


…キスっ!?

ばっ、余計なことを考えるな! 冷静になるんだ、俺!

「た、たぶん! 昨日の卒業パーティの酒が抜けてないんだろ!」

顔が熱い。自分の意思に反して、鼓動のスピードが上がってくる。
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