忘れはしない
「お酒なんか飲んだら駄目じゃない! もう、何考えてるのよ!」

「わ、悪い悪い。飲んだっていってもちょっとだけだから大丈夫だよ」

ドキドキが止まらない。

それどころか、ますます速さをましてくる。

だ、ダメだ。息苦しくなってきた。

「…ホントに大丈夫? なんか顔赤いし、苦しそうだし…。熱あるんじゃない?」

どれどれ、と言いながら、俺のおでこに手を当ててくる。

「……っ」

冷んやりとした手の感触。

ドキドキは最高潮に達した。
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