忘れはしない
「え? いや、ちょっとわかんねぇ…」

恥ずかしくて、目をそらす。

もしかして、という考えが浮かんできたが、すぐに掻き消す。

そんなはずない。

俺たちは、幼馴染みで、親友以上の親友、そんな関係をずっと保ってきたはずだ。

俺が、いつの間にか優希に恋心を抱いたときも、必死に気持ちを隠して接してきた。

だから、そんなことはありえないんだ。

そう自分にいい聞かせる。

だが。

「目をそらさないで」
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