制服color
本人に聞いてみよう。

そう思えるようになったのは放課後の事だった。
(本当かどうか本人に聞いてみよう。軽い気持ちで。)

下駄箱の所に部活へ行こうとする良太くんが1人でいた。

チャンス!!

「良太くん、あのさぁ…」
「んっ、何??」

「……好きな人いるの?」

「いるよ…」

(あっ、本当だったんだ)足が動かない。
声が出ない。
声を振り絞る。

「部活頑張ってねっ!!」

それ以上何も聞けなかった。
聞くのが怖かった……
その場を早く立ち去りたかった。教室に駆け込む。

(うっ…くっ…)
涙が止まらない。
壁に寄りかかり泣き崩れた。

(苦しいよぉぉ…)

外は雪が積もっていた。誰かが言っていた。
雪が積もっている所は静かなんだって。
雪が音を吸収してくれるから

お願い、私の泣き声も吸収して…
この気持ち、良太くんを好きになってしまった心も吸収して…
苦しくないように…

クリスマスの数日前の出来事。
メリークリスマスなんて言えないよ…
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