ラブ☆ヴォイス
「帰るぞ。お疲れ様でした。」
「うわわわっ!」

 肩をぐっと抱かれ、あっくんの歩行スピードに合わせられる。あっくんの方が足が長い分、唯は一生懸命足を動かさないと追いつけない。

「お疲れさんっしたー!また今度も頑張りましょー!」

 達也もスタジオにそう言い残すと、慌てて唯とあっくんの後を追いかけてくる。

「御堂くん、今日、なんだかいつもとキャラ違ったよね?」
「理沙ちゃんもそう思ってた?私もなの。」
「なんだぁ…皆さんにもバレバレだったんですね。」
「あら?春風先生も思ってたりしました?」
「だって御堂さん、ペース乱されてましたもん。唯ちゃんの前だと、唯ちゃんにつられて子どもっぽくなるっていうか、素に戻るっていうか…。」
「唯ちゃん、御堂くんのファンって空野くんも言ってたしね。」
「唯ちゃん、ただのファンじゃないと思ったのは私だけ~?」
「いーえ。私も思ってましたよ。」
「春風先生もですか?そうですよね~?だって唯ちゃんの目が違いましたもん。」
「そうね。…純粋に恋するコの目、って感じ。御堂さんの声にはとても敏感よ。」

 もちろんスタジオでのガールズトークなんて、スタジオを出た3人の耳には届くはずもなかった。
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