ラブ☆ヴォイス
「お前、絶対俺の声だけすげーキャッチするだろ?意地でも間違えらんねぇし。」
「なにそれっ…。」

 あっくんらしからぬ可愛い答えに、唯はぷっと吹き出した。途端にあっくんが顔をしかめる。

「なに笑ってんだチビ。」
「だってあっくん可愛いんだもん。」
「どこがだよ。」
「なんか意地になってるとこ。」
「っせぇな。ここで降ろすぞ。」
「ぎゃーやめてやめて!」
「じゃあ大人しくしてろ。」
「…はぁい。」

 その後10分くらいでマンションに着いた。部屋は隣だから、唯の部屋までは一緒に歩く。

「…どうだった、アフレコ。」
「すっごく面白かった!皆さんすごくいい人で、楽しい場所でハニメロって作られてるってことが分かってすごく嬉しかったし、皆さんの声も凄かった。それで…あっくんはもちろんかっこよかったよ!」
「お前はそれしか言えねぇのか。」
「だってかっこよかったんだもん!」
「あっそ。じゃ、今日はゆっくり休めよな。」
「うんっ!今日は本当にありがとう!」

 笑ってそう言って、唯は玄関のドアを閉めた。唯の部屋のドアが閉まった後に、あっくんの部屋のドアが閉まる音がした。
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