ラブ☆ヴォイス
 画面を見ると、さっきの番号。ということは発信者は達也だ。こんな時間に何の用だろう?

「はい、もしもし。」
「…なんだよ、起きてたのか。」
「え?」

 この声は達也じゃない。間違いなく…

「あっくん!?」
「あいつが俺の携帯奪ってお前のにかけたんだ。」
「えぇ?そうだったの?」
「あいつも何考えてんだか…。」
「で…あの…なんであたしに電話なんか…。」
「別に。気まぐれ。」
「あっくんが気まぐれなのは知ってるけど…。あたしに電話なんて明日雨?」
「そーかもな。」
「うわ!また棒読みだぁー…『先生』の時はすっごい優しい声出すクセにー!」

 時計がいつの間にか59分を指している。

「一度しか言わないからよく聴けよ?」

 あっくんの声がいきなり真剣になった。

「はっ…はいっ!」

 唯はベッドの上で正座をした。
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