ラブ☆ヴォイス
「隣人。」
「それだけ?」
「それだけ。」
「現時点では?」
「現時点でもこれからも。」
「唯ちゃんが恋愛対象になることはないの?」

 何なんだよ、今日のこいつは。やけに絡むな、あいつのことで。

「…どうした?」
「何が?」
「なんでお前がそんなこと言うんだよ。」
「御堂が囚われてるからさ。昔の恋に。」



 その言葉は俺を抉った。思い出す、あの頃。
 思い出す、〝彼女〟を。



「思い出したんじゃない?あの子のこと。」



 その言葉通りだったのが妙に悔しかった。
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