ラブ☆ヴォイス

過去との再会

* * *

「お疲れ様ー御堂くん。」
「お疲れ様です。」
「明後日もよろしくねー!」
「はい。お疲れ様でした。」

 スタッフに挨拶をして、スタジオを出た。まだお昼過ぎともあって日差しが強くて、アスファルトが燃えている。今日はこの仕事で終わりだ。家でゆっくり休もうかと思って歩き出した、その時だった。
 向こうから歩いてくる、カップル。パステルピンクのワンピース、明るいブラウンのくるくると巻かれた髪。―――あの日以来一度も会わなかったのに、なんで今更。
 目が合ったのは、男の方とだった。ニヤリと口角を上げて笑う奴に不快感しか感じない。
 
「あっくん!」

 声は彼女のものじゃない。…あいつだ。そう思って明博は後ろを振り返った。
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