ラブ☆ヴォイス
「ま、あたしも卓真も暇だし、別に行っても全然いいわよ?ねぇ、卓真?」
「うん。俺は全然構わないけど…あ、じゃあさ、光も誘おうよ。男友達いた方が俺としても気が楽だし。」
「…光は…どうかしらねぇ…。」

 華がちょっと顔をしかめた。確かに光は…よくないかもしれない。

「あっくんと仲良くないもんね…。」
「え、そうなの?」
「そうなの。もうね、敵意のレベルがはんぱじゃないの。」
「…なんで?」
「さぁねー?」

 答えを完全に知ってますという顔をしながら華がそう口添えした。教えてと何度も言っているのに全然教えてくれない。

「でもま、いいんじゃない?夏なら波乱の一つや二つ、起こしてなんぼでしょ?」
「えぇー!もうじゅーぶん頭の中、嵐だよ!」
「卓真もあたしもあんたがどうしてもって言うから行くんでしょ?卓真が光に一緒に来てほしいって言ってるんだから誘う権利あるでしょ!」
「うぅ…そ…そうかもだけど…。」
「んじゃ、行けるかどうか訊いておくわね。」

 そう言って華がケータイを開いて通話ボタンを押そうとしたその時、ファミレスのドアが開いた。―――入ってきたのは、見知った顔。
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