ラブ☆ヴォイス
「開けろよ。」
「む…無理…っ!」
「なんで?」
「顔、酷いから。」
「そんなのいつもだろ。大体、こっちはお前のアホな寝顔まで見てるっつーの。」
「そ…そういう意味の酷いじゃなくて、泣いてるから顔酷いの!」
「泣き顔だって見た経験あるんですけど。」
「た…多分今、最上級に顔酷いからっ…!」
「今更お前の顔が多少酷くてもビビんねぇよ。いいから開けろ。」
「好きな人には酷い顔晒したくないのー!」
「俺が開けろっつってんだ。いいから開けろ。じゃねーとこのままお前んちの前に居座り続けるぞ。」
「え…?」
「そしたらお前の母親が帰って来て、どなたですかって訊かれるだろうな。俺は嘘は吐けねぇ人間だ。正直に全て話すぞ?あなたの娘さんがとんでもなく好きな男ですって…。」
「ぎゃー!」

 ゴチン!
 …あれ?なんかドアが開くとか以前に鈍い音が…。

「お前…。」
「あわわわ…。」

 後頭部をさするあっくんがそこにはいた。
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