ラブ☆ヴォイス

「水着…なんて着たらまーた光と御堂明博のバトルが始まっちゃうわね。」
「バトルなんていらないよー。」
「誰のせいでそうなってると思ってんのよ？」
「あたし～？」
「…さぁねー？」
「…と、とりあえず光たちに伝えてくるよ、あたし。」
「お願いねーあたし着替えてるわ。」
「うん…。」

　廊下へと出て、隣の部屋のドアをノックする。

「…ん？」
「光っ！」
「唯か…何？」
「あ、えっと…達也さんが海で遊ぼうって。でその後バイキング行こうって言ってて、あたしも華も行きたいなって思ってて…だから一緒に行かない？」
「…俺は行ってもいいけど、卓真はー？」
「行くよ。華が行くんでしょ？」
「ああ。…どこで待ち合わせ？」
「えっと…フロント前だって。」
「分かった。」
「あ…えっと…じゃ、あとで…。」

　あまりの気まずさに、光に背を向けたその瞬間、ぐっと腕を掴まれた。

「…唯。」

　込められた力の強さに、少し恐怖を感じてしまう。怖い、と頭よりも先に肌が思ってしまう。