ラブ☆ヴォイス
「祥さんとどういう別れ方をしたのかは御堂の口から聞くべきだと思うんだけど…。だからね、唯ちゃんがあんな酷いこと言われても、光くんに告白されても、それでも御堂のことが好きでその想いが揺らがないっていうんだったら…御堂の背中を追い掛けてほしいんだ。」
「…達也さん…。」

 …頭の中が混乱している。唯の中に、たった一つだけ浮かぶ想い。

「好きなのは…あたしだけ…。」
「え?」
「…好きなの、あたしだけなんですね、やっぱり。」

 一つ一つ、確かめるように出てきた言葉。だってあっくんの言葉はそう言ってたから。〝お前に用はない〟って。

「…なんだか分かった…気がしました…。想ってるのに、少しは届いてるかもって思ってたのに…。全然…そんなことなかった…っ…!」

 届いてなんかいなかった。これっぽっちも。
 あっくんの言葉一つで幸せな気持ちになって笑顔になれて。不器用だけど優しく撫でてくれる手が大好きになって。…近付けたと、思ってた。

「届いて…ほしかった…。」
「唯ちゃん…。」

 達也はそれ以上、何も言わなかった。唯はそのまま、枯れない涙を流し続けていた。
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