ラブ☆ヴォイス

涙の罪

* * *

「…っ…はぁ…はぁ…。」

 嫌な夢を見る。あいつがひたすら泣いている夢だ。泣かせているのは、自分だった。

「…責めて…んのか?」

 あいつが?それとも自分で自分を?そこさえも酷く曖昧で、まだ朝だというのに頭がガンガンする。枕元に置いてあるケータイを見やると、ライトが点滅している。

「…ん…?」

==========
From:空野達也
Sub:

今日帰るよー!
とりあえず、色々覚悟してなさい。

==========

 …訳が分からん。色々覚悟ってなんだ?

「説教でもしに来るのか?」

 達也はかなり怒っていた。それも当然だろう。達也は…ちゃんとあいつを大事にしている。夢の中では泣いてばかりのあいつのことを。

「…泣かせたのは、俺…か…。」
< 226 / 396 >

この作品をシェア

pagetop