ラブ☆ヴォイス
 全てを拒絶し、泣かせたのは俺で。

「傷付けた…んだよな、俺が。」

 言うと約束したのに、それさえも言わずただ遠ざけた。遠ざければ古傷が蘇ることはないと…
 いや、違うな。ただ蓋をしていただけなんだ。あいつに近付けば近付くほど、痛みを思い出して苦しくなるから。蓋をして、心を閉じて。もう、思い出さないように。…それなのに、あいつは…。

「こじ開けにくるなよ…つーか俺もほだされんな。」

 『話す』だなんて言わなければ良かったんだ。話しても、傷は癒えない。あいつに背負わせるだけだし、傷付ける。―――自分のこともそんな風に思っていたのか、って。

 でも、信じてみたくなるんだよ。…なったんだよ、信じてみたく。
 始まりは、苦い過去を思い出させるものだったけれど。それでも、彼女とは確実に違ったのに。〝違う〟と分かっていたのに。

 …信じられない、信じようとしない自分が幼くて嫌だ。
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