ラブ☆ヴォイス
 夢はきっと、傷付けた罰なのだろう。あいつの涙は、俺を苦しくさせる。罪の意識を感じさせるんだ。

 ブーブーブー…携帯が震える。

 着信は達也からだった。出ないとそれはそれでうるさそうだったから、仕方なく出る。

「…もしもし。」
「あ、起きてた?これから帰るからー!」
「メール見た。」
「あ、良かった。じゃ、とりあえず本当に覚悟しておきな?」
「何をだよ?」
「あのね、君のお姫様はあのくらいのことじゃ全然へこたれてないから。御堂は彼女を見くびりすぎだ。」
「…何の話だよ?」

 …泣いてたあいつは、もういないのか?もう、泣いてないのか?―――慰めて、もらったから?

「…あのさ、前からずーっとずーっと言おうと思ってたんだけどね。この機会だから言うことにするよ。」
「……。」
「もう、逃げるのやめな。唯ちゃんなら、全部大丈夫だから。」

 全てを悟ったような声で、達也がそう言った。
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