ラブ☆ヴォイス
* * * 

「落ち着いたか…?」
「うー…ひくっ…うー!」
「泣きすぎ。嬉しくて泣いてるんだろうな、もちろん?」
「当たり前だよっ!」

 あっくんがぎゅっと抱きしめてくれる中、唯は嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかった。頭がふわふわして、本当に現実味がない。あっくんの触れている部分が熱くて、身体中を熱が駆け巡ってる。…頭を撫でてくれる手が優しくて、それさえも唯の涙を助長する。

「そろそろ泣き止んでほしいんだけど?」
「うっ…が…頑張ってるんだけど…あっくんが優しくしてくれるとそれだけで涙が…。」
「なんだそれ?普段俺が優しくねぇみてぇな言い方…。」
「そうじゃなくって!そうじゃなくて…だってあっくん…なんか優しさが異常…。」
「異常ってなんだよ?好きな女には優しくなるだろ。触れたいって思うからこうしてるわけだし。」
「ふ…触れたいって…!」

 こういうきゅんきゅんなシチュエーションは、今まで漫画やアニメの中だけのものだった。だから…正直言って刺激が強すぎる…唯には。

「ゆでダコ。」
「へ?」
「お前さーずーっとゆでダコ状態でいるつもりか?これからずっと。」

 〝ずっと〟という言葉が耳にジーンと響く。ねぇ、あっくん。ずっと一緒に…

「いてもいいの?」
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