ラブ☆ヴォイス
「なにが?」
「ずーっとそばに…いてもいいの?」
「いてもいいかじゃなくて、いたいのかどうかだろ。問題は。」
「…そ…そっか。」
「とりあえず今はそばにいたい。未来なんて分かんねぇよ。」
「そ…そうだよね…。」

 あっくんの言ってることは正しい。だって今確実だと言えるのは、〝好き〟っていう自分と、あっくんの二つの気持ちだけだから。
 なのに、どうしても少しがっかりしてしまう。甘い言葉を囁いてほしいわけじゃないけれど…

「なーにへこんでるんだよお前は…ったくしゃーねぇな。」

 あっくんの手がポンポンと唯の頭を軽く撫でる。そしてあっくんが唯の顔を覗き込んだ。

「…今はそばにいたいっつってんだよ。〝今は〟が〝明日も〟につながって、それが〝来年も〟ってなっていけばいいんじゃねーの?…俺は自信あるけど。」
「自信?」
「お前なら下手に虚勢はったりしねぇから、寂しいって思ってるのとかちゃんと分かるよなって。…そしたらちゃんと構ってやれるから。」
「分かりやすすぎ…だよね、あたし…。」
「別にその方がいい。分かりやすくなきゃ俺が困る。…もう二度と、同じ失敗はしたくねぇんだ。お前がこうしてこじ開けてくれたんだからな。」

 そう言って優しく微笑むあっくんに、心の準備ができてなかった唯の心臓は爆発寸前にまで高鳴る。
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