ラブ☆ヴォイス
 唇が離れると、あっくんは満足げににやりと笑う。

「俺をからかって遊ぼうなんざ、10年早い。」
「からかってなんかっ…。」
「じゅーぶんからかってんだろ。可愛いなんて言うんじゃねーよ。」
「…わ…分かりましたっ…。」
「…さてと、このままベタベタしててもいいけど、お前少し冷まさねぇとな。」
「お…お願いしますっ…。」

 そう言うと、あっくんがすっと離れた。そして唯をしゃんと立たせてくれる。

「メシ、食うか?」
「え…あ…うんっ!」
「つってもお前が作るんだけどな。」
「うん!何食べたい?」
「…んー…でも旅行に備えて食材減らしてたから何もねぇんだよ。買い出し行くか。」
「うんっ!」

 玄関まで行って、サンダルを履く。そのまま外に出て、隣にあっくんが並ぶ。

「ん。」
「え?」

 すっと手が差し出される。これは…握ってもいいってこと…なのかな?

「恋人っぽいことしたいんだろ、お前。握りたければ握れば?」
「うんっ!」

 迷わず唯はあっくんの手を握った。顔はもちろん笑顔だ。
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