ラブ☆ヴォイス
* * * * *


バチーン!


あまりに痛すぎて、一体何が起こったのか分からない。


確か俺は、目の前の女の子にキスしようと思ったはずだった。…それなのに。


一度ぐっと腕を掴まれたと思ったらそのまま平手。


じんじんと痛む、左頬。





「お姉ちゃんのこと弄ぶなんて、あんた最低よ!」





『…お姉ちゃん?』
って誰のことだ?


痛む左頬を軽く押さえながら、痺れた頭で考える。


目の前の女の子、というよりは女性。
強い眼差し、…まるで責めるような。まぁ、怒ってるのは間違いないけれど。


この顔に見覚えは…ない。





「チャラい男なんて滅びればいい!」


そんな捨て台詞を吐いて、『彼女』は俺に背を向けた。


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