ラブ☆ヴォイス
「達也っ…!」


俺が頬にあてた手の上に手を重ね、心配そうに目を潤ませ俺を見上げる。


「…大丈夫大丈夫。」

「それよりあの子…。」


…出た、こういう目。
疑いの眼差しってやつだ。女の嫉妬は色々と怖い。


「…全然見覚えないんだよね…誰なんだろ…。」

「ホントに…?」

「マジだって。」

「じゃあなんで叩かれたの?」

「そんなの俺が知りたいよ。」

「答えになってなーい!」

「だから、俺だってなんで引っ叩かれたのか分かんないんだってば。」





…あの子自体に見覚えはないけれど、あの子の眼差しに近いものを俺は知ってる。





『由実』だ。
俺の〝彼女〟の一人。

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