ラブ☆ヴォイス
「…多分行くところ同じだと思うんだけど。」

「は?」

「だから、由実んとこ。つまり君の家でしょ?」

「今更何の用?」

「今更って言われると反撃できないけど、由実に全て話すつもりで来たんだ。」

「あっそ。」

「あ、怒んないの?」

「考えて決めたんでしょ?」

「でもこの前も俺同じこと言ったけど?」

「あの時は勢いで言ってるように見えたから。
今は多少なりとも考えてそう言ってるように見える。
考えてそれが一番いいって決めたんなら、そこについてあたしは文句を言えない。」

「ふぅん…すっきりっていうかさっぱりしてるんだね。」

「あんたに比べたらどんな人間も真っ当よ。」

「そりゃそーだ。」


マンションの玄関まで来て、彼女がロックを解除する。


「お姉ちゃんの許可取ってんの?」

「いやー?無連絡。」

「じゃ、ここ通らないで。」

「んなつれないこと言うなって。」


そう言って俺は無理矢理彼女を押しながら自動ドアを通り、エレベーターのボタンを押した。

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