ラブ☆ヴォイス
ガコンとドアが開いて彼女が乗りこみ、俺を睨んだ。


「え…な、なに?」

「あんたは次のに乗って。」

「なんで?」

「あんたと同じ空気吸いたくない。」

「…徹底してるよね、そういうとこ。
でもごめん、そのお願いは聞けないや。」


そう言って俺はまたしても無理矢理乗りこみ、「8」と「閉」のボタンを押した。





無言の中に、彼女の怒りを感じてなんだか面白くなってくる。
面白いとか言ったら彼女は怒るだろうけど、裏表なくただ真っすぐな感情が自分に向いてるってことが面白くて仕方ないんだからもうどうしようもない。





5階を通過しようとしていた、丁度その時…


「え…?」

「うわ!」





一度大きく、ガタンと揺れた。
そしてそのまま、電気が消えた。

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