ラブ☆ヴォイス
「してないって言ってるでしょ!それよりっ…近寄んないで!」

「ごめんって。ちょっと距離が近すぎた。
って見えないんだからしゃーないって思ってよ。
それに君が涙声だったからさ。怪我したんじゃないかと…。」

「だ、大丈夫…っ…だからっ…。」

「声が強がってる。
大丈夫じゃないでしょ全然。
閉所恐怖症…とか?って違うか。そしたらもともとエレベーターなんか乗れないもんね。
じゃあ何…んー…。」

「当てなくていいっ…!」

「そう言われると当てたくなっちゃうよねー
あ!分かった分かった!暗所恐怖症か!」

「ち…違うっ…!」

「いつもストレートでどもったりしない君が躊躇したってことはあたりだねー。
そっか。暗いとこダメなわけね。じゃ、明るくしようよ。」

「は…?」


俺はケータイを操作し、画面の明るさを一番明るく設定した。
そしてカメラのライトを起動させる。


「ほら、少しは明るくなったっしょ?」

「電池減るよ?」

「ま、いいって。どうせいつか動くだろ。
それに君のケータイが生きてれば問題ないし。」

「あ、ケータイ!」


そう言うと彼女はカバンの中からケータイを取り出し、開いた。

< 329 / 396 >

この作品をシェア

pagetop