ラブ☆ヴォイス
「…怖い?」

「平気…って言ったら嘘になる。」

「亜実ちゃん、しょーじきものだねぇー。」


彼女の肩が小さく震える。
泣いてこそいないけれど、それも彼女が気を張っているからに過ぎない。


いつもとても鋭い視線で、俺を射抜くように見つめている…そんな彼女には思えない。
思ったよりも小さな手で膝を抱え、短い髪が時折小さく揺れる。
そんな彼女が、俺のすぐ隣にいる。


…なんだ、この感覚。
隣に女がいるなんていつものことなのに。
なんなんだよ、この…妙な違和感。





「…寒い?」

「だ、大丈夫っ…。」

「震えてる。」

「え…。」





何の躊躇いもなく、伸びた自分の手。
それを彼女の肩に置き、そのまま引き寄せた。





「大丈夫。亜実ちゃんからの信頼は皆無かもしんないけど、俺、いるから。
だから、…大丈夫。大丈夫だよ。」


自然と紡ぎだされた言葉に戸惑いなんて隠せなかった。
こんな声が出るってことも…知らなかった。

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