ラブ☆ヴォイス
「真面目に仕事してるよーだってその方が感情込められるし、いい演技になるんだけど?」

「あっそーですか。」

「うわ、つれねー。」

「もー長旅だったから疲れたの!早く帰ろう!ゆっくり身体ぐーっと伸ばしたい。」

「揉んで差し上げましょうか?」

「…あんたが言うと変態っぽい。」

「変態ですから。」

「触んないで!」

「ひどっ!俺、彼氏!亜実の帰りを今か今かと待ちわびていたイケメン彼氏さんですよー?」

「チャラ男さんの間違いじゃないの?
あ、それより何?なんか御堂さんのことで話したいことがあるって言ってたじゃない。」

「あー…あ!そうそう!御堂に彼女が出来たんだ。」

「え…あ、本当に?」

「本当本当!亜実の2コ下なんだけど。
あの女嫌いっつーか恋愛恐怖症みたいになってた御堂の心を溶かした子がいるんだよ!しかもすっごーくいい子で可愛い!」

「で、あんたはまたその子にデレデレして御堂さんに叱られたんでしょ?」

「あ、なんで分かったの?」

「はぁー…これだからチャラ男は。あたしが外人イケメンに声掛けられたくらいでいちゃもんつけるくせに自分はこれだから最低よね。」

「じょーだんだって!亜実一筋!この世で一番大事な女の子は亜実だけ!
てゆーか唯ちゃんに今触れたら、俺御堂に瞬殺されるし。」

「そんなにベタ惚れなんだ…ちょっと意外かも。」

「でしょ?でもねーベタ惚れにもなるって。だって向こうもベタ惚れだから。」


そう言って、俺はあの二人を思い浮かべる。
とても愛おしそうな顔で唯ちゃんを見つめる御堂。
そして、にっこりと可愛い笑顔の唯ちゃん。

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