ラブ☆ヴォイス
* * *
「熱、測った?」
「うん。37度8分。」
「んー…微妙な数字だな。よし、着替えるぞ。濡れタオル持ってきたから身体拭く。脱げ。」
「え?」
「…あのなぁ、俺は眠っているお前がどれだけ誘ってこようとも手を出さなかった男だぞ?病人に手出すわけねぇだろ。」
「分かってるけど…。」
脱ぐという言葉に心臓の鼓動が加速する。ドキドキとうるさくなればなるほど、熱も上がっている気がする。
「…脱がせてもいいけど?」
「…自分で脱ぐ。」
「できればそうして。」
ボタンに手をかけ、汗で少し濡れたパジャマを脱ぐ。
「足は自分でできるだろ?俺に背中向けろ。」
「うん…。」
唯の首筋にひんやりと冷たいタオルがあたる。汗で気持ち悪かった身体が少しずつすっきりする。
「冷たい?大丈夫か?」
「…大丈夫。ちょっと、緊張するけど。」
「声変だもんな、お前。さっきから。どうした?何か気になることでもあったか?」
唯に感化されたのか、あっくんもかなり素直になった。唯のことで気になることがあればすぐ口にした。それは多分、気付かないふりをして、物分かりのいいふりをして大切な人を失うことを避けるためだった。
「…ごめんね。」
「何の謝罪?」
「ディナー、行けなかったこと。」
「…あー…分かった。もしかしてお前、思い出したんだろ、俺の言ったこと。」
「……。」
図星なのだから何も言えない。あっくんの察しの良さはこの2年間で磨きがかかっている。唯が分かりやすいというのも一因ではあるが。
「熱、測った?」
「うん。37度8分。」
「んー…微妙な数字だな。よし、着替えるぞ。濡れタオル持ってきたから身体拭く。脱げ。」
「え?」
「…あのなぁ、俺は眠っているお前がどれだけ誘ってこようとも手を出さなかった男だぞ?病人に手出すわけねぇだろ。」
「分かってるけど…。」
脱ぐという言葉に心臓の鼓動が加速する。ドキドキとうるさくなればなるほど、熱も上がっている気がする。
「…脱がせてもいいけど?」
「…自分で脱ぐ。」
「できればそうして。」
ボタンに手をかけ、汗で少し濡れたパジャマを脱ぐ。
「足は自分でできるだろ?俺に背中向けろ。」
「うん…。」
唯の首筋にひんやりと冷たいタオルがあたる。汗で気持ち悪かった身体が少しずつすっきりする。
「冷たい?大丈夫か?」
「…大丈夫。ちょっと、緊張するけど。」
「声変だもんな、お前。さっきから。どうした?何か気になることでもあったか?」
唯に感化されたのか、あっくんもかなり素直になった。唯のことで気になることがあればすぐ口にした。それは多分、気付かないふりをして、物分かりのいいふりをして大切な人を失うことを避けるためだった。
「…ごめんね。」
「何の謝罪?」
「ディナー、行けなかったこと。」
「…あー…分かった。もしかしてお前、思い出したんだろ、俺の言ったこと。」
「……。」
図星なのだから何も言えない。あっくんの察しの良さはこの2年間で磨きがかかっている。唯が分かりやすいというのも一因ではあるが。