ラブ☆ヴォイス
「大事な話ってやつだな。」
「…うん。」
気付けばあっくんの手は止まっていた。唯は自分の胸の前で手をきゅっと握った。小刻みに身体が少しだけ震えるのはきっと、熱のせいで寒気がするだけじゃない。
そんな唯に気付いたあっくんは唯の身体を反転させた。視線を上げられない唯の目は泳ぐばかりだ。
「…あー…別に、悪い話、…じゃねぇと思うけど。とりあえず、そんなしょげた状態で俺も言いたくねぇし、顔、上げてくんね?」
「……。」
「何、反抗期?」
「…違うもん。」
「あ…っそ。ていうか、こんな状態で言うつもりなかったんだけどな…ほんとは。ベッドの上で押し倒して…の方がムードあったっつーか…。」
「え?」
押し倒して、なんてとてもじゃないが今の唯では色々な意味で耐えられそうにない。悪い話じゃないというのはどういうことか、唯には皆目見当もつかない。
「唯。本当に顔、上げて。」
「…うん。」
あっくんの言葉に吸い寄せられるように、顔がゆっくりと上がっていく。顔を上げた先には穏やかな顔で微笑むあっくんがいる。微笑んではいるものの、その表情は少しだけ、困った顔にも見える。
「…熱、出てる状態で言うようなことじゃない…っつー気持ちもあるけど、でも、今言わないとお前、多分ずっとそんな顔だしな。」
そう言ってあっくんは立ち上がり、かけてあったジャケットのポケットから小さな箱を取り出した。その箱を開けると、その中で指輪が輝いている。
「あっくん…、これ…。」
「前やったやつとは額も全然違ぇからな、これ。」
そう言いながらあっくんは指輪を箱から取り出し、唯の左手の薬指にそっとはめた。あまりにもぴったりで身体が震えた。
あっくんの瞳が真っすぐに唯を捉える。何を言おうとしているのか、少しずつ分かってきた。ただ、あまりにも夢みたいな展開に頭がぼんやりしてくる。
「さすがのお前でも、何言われるか分かってきただろ?」
唯は頷いた。頭では分かっている、ような気がしないでもないけれど、現実っぽくない。
「…結婚、しよう。俺が、お前といたいから。ずっとそばにいてほしいと思うから。」
あまりにもいい声。少しだけいつもと違う硬い表情。真っすぐすぎる視線と声は、唯の脳を沸騰させるには充分すぎた。
「あ、おいっ!」
唯はそのまま、意識を失った。
「…うん。」
気付けばあっくんの手は止まっていた。唯は自分の胸の前で手をきゅっと握った。小刻みに身体が少しだけ震えるのはきっと、熱のせいで寒気がするだけじゃない。
そんな唯に気付いたあっくんは唯の身体を反転させた。視線を上げられない唯の目は泳ぐばかりだ。
「…あー…別に、悪い話、…じゃねぇと思うけど。とりあえず、そんなしょげた状態で俺も言いたくねぇし、顔、上げてくんね?」
「……。」
「何、反抗期?」
「…違うもん。」
「あ…っそ。ていうか、こんな状態で言うつもりなかったんだけどな…ほんとは。ベッドの上で押し倒して…の方がムードあったっつーか…。」
「え?」
押し倒して、なんてとてもじゃないが今の唯では色々な意味で耐えられそうにない。悪い話じゃないというのはどういうことか、唯には皆目見当もつかない。
「唯。本当に顔、上げて。」
「…うん。」
あっくんの言葉に吸い寄せられるように、顔がゆっくりと上がっていく。顔を上げた先には穏やかな顔で微笑むあっくんがいる。微笑んではいるものの、その表情は少しだけ、困った顔にも見える。
「…熱、出てる状態で言うようなことじゃない…っつー気持ちもあるけど、でも、今言わないとお前、多分ずっとそんな顔だしな。」
そう言ってあっくんは立ち上がり、かけてあったジャケットのポケットから小さな箱を取り出した。その箱を開けると、その中で指輪が輝いている。
「あっくん…、これ…。」
「前やったやつとは額も全然違ぇからな、これ。」
そう言いながらあっくんは指輪を箱から取り出し、唯の左手の薬指にそっとはめた。あまりにもぴったりで身体が震えた。
あっくんの瞳が真っすぐに唯を捉える。何を言おうとしているのか、少しずつ分かってきた。ただ、あまりにも夢みたいな展開に頭がぼんやりしてくる。
「さすがのお前でも、何言われるか分かってきただろ?」
唯は頷いた。頭では分かっている、ような気がしないでもないけれど、現実っぽくない。
「…結婚、しよう。俺が、お前といたいから。ずっとそばにいてほしいと思うから。」
あまりにもいい声。少しだけいつもと違う硬い表情。真っすぐすぎる視線と声は、唯の脳を沸騰させるには充分すぎた。
「あ、おいっ!」
唯はそのまま、意識を失った。