ラブ☆ヴォイス
「お前さ…。」
「…な…んですか?」

 あっくんの目が、真っすぐに自分を見つめている。ただでさえ頭がクラクラしているのに、心臓までおかしくなりそうだ。

「なんで昨日から敬語なわけ?」
「え…?」
「タツに何か言われたか?」
「達也さんに?」
「そーとしか思えねぇんだけど。」
「えっと…あ、タメ口で話してって言われたんですけど…それは無理で。そしたらあっくんとも敬語で喋ってよって話になって…。」
「それで?」
「で敬語で話すことでまとまりました。」
「なんでそうなる?」
「え?」
「お前が敬語とか不自然極まりねぇーだろうが。」
「でも…約束だし…。」
「で、達也って呼ぶのも約束なわけ?」
「あ…うんっ…じゃなかった…はいっ!」
「…不自然。」

 あっくんがニヤッと意地悪く笑った。不自然なのは分かっている。

「タツに遊ばれすぎんなよ。あいつ、本命いるぞ?」
「え…本命…?」
< 50 / 396 >

この作品をシェア

pagetop