ラブ☆ヴォイス
「関係良好に戻したいなら謝っとけ。一方的にキレたこと、説明不足なところとかな。」
「…分かった。」
「あとは諦めれば事は収まるぞ。」
「え?」
「彼氏は意外と簡単に出来るんじゃねぇの?お前が気付かないだけで。」
「べっ…別にあたしは彼氏が欲しいわけじゃないもん!」
「はぁ?」
「あたしは、あたしを好きになってくれる人を探してるんじゃなくて、あたしが好きになれる人を探してて、それでそれがあっくんだって気付いてからはずっと好きなんだからっ!」
「…とんでもねぇことに気付ちまったなぁ…お前。」

 あっくんが遠くを見つめながら呟いた。

「ねぇあっくん。」
「なに?」
「…そんなにあたし、望みないの?」
「さぁな。」
「え?ないって否定しないの?」
「否定しない代わりに肯定もしないからな。」
「…思いっきり喜んでもいい?」
「うるさいからダメだ。つーか愚痴終わったんなら帰れよ。んで奴の誤解晴らせ。」
「あ…そうだよね!長居したらあっくん休めないもんね。えっと…食器は洗って置いたまんまだから布巾貸してくれれば拭いて戻すけど…。」
「そこまでしなくていい。」
< 87 / 396 >

この作品をシェア

pagetop