月花の祈り-宗久シリーズ小咄3-
そう、もっと笑っていい。
安心していいんだ。
君は家族に、たくさんの愛しさや幸せを与えたのだから。
それを誇りに、胸を張って逝けばいい。
僕が必ず伝えるから。
必ず導くから。
だからもう、小さな胸を痛めたりしなくていいんだ。
何も、心配しなくていいんだよ。
貴志君の笑顔に安堵し、僕は椿の木を見上げた。
その枝に手を伸ばす。
細い枝…。
そうだな。
お前もよく頑張っていたね。
こんなに痩せてしまう程に身代わりになり、貴志君の魂を守っていたんだね。
「あと少し、ひと踏ん張り出来るかい?」
僕の問いに、椿は細い枝を揺らした。
その葉の隙間に見えた小さなそれは、貴志君の為にとの椿の覚悟。
僕に力を預けるとの、椿の心。
ああ、お前は優しいね。
一緒に、貴志君を送ろうな。
呼び掛けに、椿はカサリと葉を擦り合わせ返事をした。
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安心していいんだ。
君は家族に、たくさんの愛しさや幸せを与えたのだから。
それを誇りに、胸を張って逝けばいい。
僕が必ず伝えるから。
必ず導くから。
だからもう、小さな胸を痛めたりしなくていいんだ。
何も、心配しなくていいんだよ。
貴志君の笑顔に安堵し、僕は椿の木を見上げた。
その枝に手を伸ばす。
細い枝…。
そうだな。
お前もよく頑張っていたね。
こんなに痩せてしまう程に身代わりになり、貴志君の魂を守っていたんだね。
「あと少し、ひと踏ん張り出来るかい?」
僕の問いに、椿は細い枝を揺らした。
その葉の隙間に見えた小さなそれは、貴志君の為にとの椿の覚悟。
僕に力を預けるとの、椿の心。
ああ、お前は優しいね。
一緒に、貴志君を送ろうな。
呼び掛けに、椿はカサリと葉を擦り合わせ返事をした。
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