恋に落ちた、この瞬間。
恋に落ちた、この瞬間。

不安そうな彼女。

台風が日本に近づきつつある、そんなある日……。


「ごめんね、樹(イツキ)くん」


「いえ、大丈夫デス……」



全く“大丈夫”ではないこの状況。

なんで“コイツ”はいるんだ?


「じゃあ、今日と明日ってよろしくね」


「はいはーい、任せてね」


何が、“任せてね”だよ。
こっちは、全然任される意味がわからねーよっ。



「樹、今日から“まおちゃん”が泊まるから」


“泊まるから”って…… おい!!

そんな簡単な言葉で説明しようとするなっっ。


前田 樹(マエダ・イツキ)
“幼なじみ”のヤツを目の前にして…… 固まってしまった。


で、目の前にいるのが俺と同じ高校に通っているヤツ。


木下 まお(キノシタ・マオ)


元から小さいヤツだけど、今は俺より一段低い所にいるから
なおさら小さく見える。


「“いっくん”……ごめんね」


どうしてまおは俺を“いっくん”なんて呼ぶんだよ。
俺だって16。いい年した高校生が“いっくん”とか呼ばれるのは……。

正直、恥ずかしい。





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