恋に落ちた、この瞬間。
「腹、減ったか?」


ただひたすら問題を解いているまおに話しかけてみた。

俺を警戒しているまおは腹が減っても“絶対”自分から話しかけては来ないと思ったんだ。

それに、腹が鳴りそうなのを隠すと思った。


「どうする? もう12時は過ぎているけど…… 食うか?」


「……… 食べる」


ヨッシャー!
心の中でガッツポーズ。


『食うか?』って聞いて、『まだ、いらない』とか言われたらどうしようかと思った。


俺、一人でご飯を食べ始めるのもなんだか気にくわないし。
まおがあとから一人で食べるのも嫌だ。


「じゃ、準備するわ」


パタパタ、パタンとノートや問題集を全て閉じて、
今朝、母さんが準備してくれた昼ごはんを温める。


ハンバーグが冷蔵庫にあったと思ったんだよな……。


冷蔵庫を開けたら、真っ先に目に入った“昼ごはん”たち。


ハンバーグと、サラダだな。



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